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執行役員挨拶

平素より、星野リゾート・リート投資法人に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

このたび、2025年10月期(第25期)が終了いたしましたので、ここに決算内容についてと、足元の訪日中国人減少のインバウンド市場全体に与える影響についてご報告申し上げます。

2025年10月期(第25期)の決算概要といたしましては、営業収益8,696百万円、営業利益4,325百万円、経常利益3,556百万円、当期純利益3,555百万円となりました。これにより、1口当たり分配金は6,077円といたしました。

また、2026年4月期(第26期)につきましては、営業収益9,162百万円、1口当たり分配金6,500円を、さらに2026年10月期(第27期)につきましては、営業収益9,302百万円、1口当たり分配金6,660円と、コロナ前の水準である6,651円を上回る水準を予想しております。

次に、訪日中国人減少の問題についてです。昨年11月上旬の高市首相の国会答弁の内容を理由に、中国政府が自国民に対して日本への渡航自粛を呼び掛けており、さらに日中間を結ぶ航空便を減便する動きも出ており、訪日中国人の減少は避けられないとみられています。その減少幅や期間について、現状で明確な見通しを立てることは難しいですが、そのインバウンド市場全体への影響は限定的なものにとどまる可能性が高いです。

その理由は二つあります。

まず一つ目の理由として、訪日中国人のうち、旅行の手配を個人で個別に手配するという形態(以下、「個人旅行」)の割合が高まっていることが挙げられます。観光庁のインバウンド消費動向調査によると、訪日中国人の個人旅行の割合は直近2025年7-9月期で83%でした。個人旅行者の場合、政治と自身の価値観・行動を切り離して考える傾向が強く、日中関係の変化による影響を受けにくいと考えられますし、実際に過去の事例からも個人旅行は外交関係の影響を受けにくいことが解かっています。そして、外交関係の影響を受けやすい団体旅行の割合は、かつては50%前後でしたが現在は17%まで低下しており、このことから、今回の訪日中国人客減少は限定的なものにとどまる可能性が高いと言えます。

二つ目の理由は、外国人にとって日本が魅力的な旅行先であることが、訪日中国人の減少を補うと考えられるからです。実質実効為替レート指数(物価変動の影響を考慮した総合的な円の対外的価値を表す指標)と外国人延べ宿泊者数および外国人の買物代の関係を見ると、円安が進むと外国人延べ宿泊者数は増加し、買物代消費も促進される傾向があります。足元で、円の実質実効為替レートはインバウンドの増加が始まった2010年以降の最安水準となっており、コロナ前の2019年と比較した場合には約3割も低下しています。 結果として、訪日する外国人の国籍・地域も多角化しています。特に注目すべきは、コロナ前の2019年と比較して、欧米豪の地域からの訪日外客数が特に高い増加率になっていることです。具体的には、年初来の比較で、米国:+91%、豪州:+70%、欧州:+59%となって おり、中国:+1%、韓国:+49%、台湾:+36%、香港:+10%よりも増加率が高いです。(10月までの年初来。欧州については統計値が発表されている8月までの年初来。)

こうしたインバウンド需要の多角化で中国人への依存度が低下しており、外交関係の変化に対するインバウンド市場の耐性が高まっているとみることができます。

こうしたことから、訪日中国人の減少がインバウンド市場全体へ与える影響は限定的なものにとどまるだろうと考えております。

最後になりますが、今後も本投資法人は、安定的な財務運営を継続しつつ、強固なポートフォリオの構築を進め、観光産業の発展に貢献してまいります。

投資主の皆様におかれましては、引き続き変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

参考文献
シービーアールイー株式会社 2025年12月CBREレポート
「訪日中国人減少のホテルおよびリテールセクターへの影響は限定的」

執行役員 秋本 憲二
星野リゾート・リート投資法人
執行役員
株式会社星野リゾート・
アセットマネジメント
代表取締役社長
秋本 憲二