サステナブルファイナンス
本投資法人及び本資産運用会社(株式会社星野リゾート・アセットマネジメント)は、ESGに配慮した投資及び資産運用を行い、本投資法人の持続可能性を高めることによって投資主価値を最大化することが重要であると考えます。本投資法人は、この考え方に従い、サステナビリティへの取組みの一環として、フレームワークを策定し、サステナブルファイナンス(注1)による資金調達を行っています。
今後も本投資法人は、サステナブルファイナンスによる資金調達等に留まらず、サステナビリティポリシーに則り、社会課題の解決に向けてCSV(Creating Shared Value)を達成しつつ、独自性のある投資及び資産運用により未来に貢献していく方針です。
- サステナブルファイナンスとは、サステナビリティローン、サステナビリティボンド、グリーンローン、グリーンボンド、ポジティブ・インパクトファイナンス及びブルーローンの合計を示します。
サステナブルファイナンスの資金調達概要(2025年5月1日時点)
サステナビリティファイナンス・フレームワークの概要
本投資法人は、サステナビリティボンドガイドライン(SBG)2021ほか各種原則及びガイドラインに適合したサステナビリティファイナンスを実施するための基本方針として、サステナビリティファイナンス・フレームワークを策定いたしました。なお、本フレームワークの適格性については、株式会社日本格付研究所(JCR)より、最上位となる<総合評価 SU1(F)>の評価を取得しています。JCRによる評価レポートは、以下をご覧ください。
【JCR サステナビリティファイナンス・フレームワーク評価レポート】
本投資法人は、本フレームワークに基づいてサステナビリティファイナンスの実施、評価及び管理を行い、サステナビリティを意識した幅広い投資家へESG投資の機会を提供することを目指します。
本資産運用会社は、星野リゾートグループとともに、観光産業を通して、気候変動への対応はもとより、社会への貢献を具体的に実行することにより、持続可能な経済と社会の実現を目指しています。また、本投資法人に関係する宿泊事業のバリューチェーンにおける全てのステークホルダーは、環境保全や社会貢献に対して協力・連携しつつ、本投資法人が掲げるESG戦略「CSV考慮の運用」を中長期的に達成することを目指しており、あらゆる人々が活躍する平等な社会の実現、健康で快適な職場環境の整備及び地域活性化への貢献といった目標を策定し、日々の業務に邁進しています。かかる考え方に基づき、環境・社会的課題の解決を推進・実行するために本投資法人が定めるサステナビリティ投資方針は以下の通りです。
気候変動課題及び社会課題の解決は、強弱の差こそあれど相互に関係していると、本投資法人は考えています。本資産運用会社は、気候変動リスクと社会課題リスクを明確にし、ホテルのGHG排出量削減達成に向けた気候変動への対応や、災害に対するレジリエンスを高める取組みを実施していますが、ホテルが立地する地域そのものの歴史や文化的価値の保全及び活用、並びに産業の活性化が「旅」、すなわち観光資源の質そのものに関係すると、本投資法人は認識しています。 また、住民が暮らす地域におけるホテルの役割は、地域社会全体がウェルビーイングを達成し、関係人口の増加等、地域経済の循環に貢献するアウトプットができるよう、その解決策を提示すること、そして解決に向けた取組みの結果として、アップデートされた市場やコミュニティの構成という成果をあげることが重要だと、本投資法人は考えています。 更に、それと同時に、不動産への対応のみならず、気候変動による大雨や気温上昇に起因する災害の発生時には、ホテルが避難場所となれるよう、日頃から備蓄や訓練等を行う必要もあります。 本資産運用会社は、上記のサステナビリティ投資方針及びサステナビリティポリシーに基づき、リスク管理及びコンプライアンスの遵守を徹底のうえ、適切な資産運用を実施していきます。
1.環境・社会課題に対する本投資法人の認識
本投資法人は、観光産業への影響が大きい環境・社会課題について以下のとおり整理しています。
「解決すべき課題」の設定にあたっては、気候変動に関しては、2030年におけるCO2排出量削減目標の達成及び2050年におけるカーボンニュートラルの実現、社会課題に関しては、地域産業活性化と経済が観光とリンクしていることを制約条件とし、宿泊施設又は不動産関係者が、ハードとソフトの両面における具体的な行動指針として理解しやすく、総力を結集し成果を出せるものになるよう検討しました。
この表は左右にスクロールできます。
気候変動 | 社会課題 | |
---|---|---|
本投資法人における リスク |
気候変動リスク
|
社会的リスク
|
解決すべき課題 |
|
|
地域における宿泊施設の役割と循環の考え方(概念図)

- 上図は、本投資法人のサステナビリティ投資方針等を分かりやすく伝える目的で本資産運用会社が作成した概念図であり、記載の内容の正確性やその実現を保証するものではありません。
2.調達資金の使途
本投資法人は、サステナビリティファイナンスにより調達した資金を、以下のソーシャル適格クライテリア及びグリーン適格クライテリア(以下、総称して「適格クライテリア」といいます。)を満たす資産の取得資金、若しくは同資金のリファイナンスに充当する予定です。
3.適格クライテリア
[ソーシャル適格クライテリア]
本投資法人、本資産運用会社、賃借人又はオペレーターが、対象物件に対し、以下に示す「不動産の利用者等関係者に係る取組み」のうち2つ以上、且つ「地域社会に係る取組み」のうち2つ以上(ただし、1から4のうち1つ以上を含むものとします。)の取組みを実施していることとします。なお、後記のグリーン適格クライテリア(3)再生可能エネルギーに該当する場合には、当該資産の設置対象となる物件のソーシャル性を準用するものとします。
以下の表内「社会課題」及び「社会課題の段階」に記載している番号は、「不動産分野の社会的課題に対応するESG投資促進検討会 中間とりまとめ」(国土交通省)に準拠しています。当該資料については、以下をご参照ください。
【国土交通省 不動産分野の社会的課題に対応するESG投資促進検討会】
<不動産利用者等関係者に係る取組み>
※不動産の利用者等関係者:テナント、就業者、居住者、来訪者、不動産整備に係わる労働者等
この表は左右にスクロールできます。
社会課題 | 社会課題の 段階 |
アウトプット | アウトカム | インパクト | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 健康な暮らしと働き方 | ①、②、③ | 社会とウェルネスに関連した「働きやすさ調査」の実施 |
|
健康快適性の改善 |
2 | 職場環境の快適性 | ①、② | サステナビリティガイドの 発行 |
気候変動及び社会課題に対する自主的な活動 | 環境・社会課題への認識向上 |
3 | 自然災害への備え | ① | 定期的な建物安全管理チェック、各種災害訓練、防災用品・食料・薬等の備蓄の実施 | 防災への準備と訓練 | 命と暮らしを守る |
4 | 自然災害への備え | ① | 過去の災害・データから見るポートフォリオ耐性(レジリエンス)の分析 | 現状を把握し過去の教訓を防災へ活かす | 命と暮らしを守る |
5 | 多様な働き方と生産性向上の実現 | ③ | インターンシップ制度、グループ内人材交流制度、新卒社員向け育成プログラム、キャリア開発制度、職能開発プログラムの活用推進 | 質の高い人材の早期育成とキャリアビジョンの形成 | 意欲や能力を発揮させる |
<地域社会に係る取組み>
この表は左右にスクロールできます。
社会課題 | 社会課題の 段階 |
アウトプット | アウトカム | インパクト | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 地域の魅力と豊かな 経済 |
③、④ | 地域産業や歴史を深堀りし、宿泊客に滞在の魅力として提供する | 祭など行事の文化、加工食品等2次産業・農業等1次産業の活性化 |
|
2 | 地域の魅力と豊かな 経済 |
③、④ | 温泉街開発、商業施設等設置の計画 |
|
|
3 | 豊かな経済 | ③ |
|
|
|
4 | 命と暮らしを守る | ①、② | 避難所提供(場所と食) | 帰宅困難者及び地域住民の 保護 |
|
5 | 尊厳が守られる | ① | 低価格帯ホテルの提供 | シンプルで快適な滞在の実現 | 包摂性のある社会の実現 |
6 | 尊厳が守られる | ① | パンデミックの防止や罹患者用療養施設の設置 | 感染症予防 | 感染者を抑え、病床の逼迫を抑える |
7 | 健康な暮らしと地域の魅力 | ②、④ |
|
|
|
[グリーン適格クライテリア]
この表は左右にスクロールできます。
(1)グリーンビルディングおよび環境に資する付加的な取組み |
以下①~④の第三者認証機関の認証のいずれかを取得済もしくは今後取得予定の物件。 なお、①~④について(i)~(v)に定める追加的な取り組みが行われている場合、物件全体をグリーン適格物件とみなすものとする。 <追加的な取組>
|
---|---|
(2)汚染の防止と管理 | 廃棄物の再資源化率100%を達成している物件 |
(3)再生可能エネルギー | 再生可能エネルギー発電設備の取得又は設置 |
(4)省エネルギー性能 | 空調機器の更新、照明器具のLED化、蓄電システムの導入等省エネルギー機器の導入に関する費用(従来比30%以上の使用量もしくは排出量の削減効果が見込まれるもの) |
(5)改修工事 | 保有資産に係る改修工事で、CO2、エネルギー、水等の使用量または排出量の削減等、環境面において有益な改善が可能な工事(従来比30%以上の使用量もしくは排出量の削減効果が見込まれるもの) |
4.プロジェクトの評価及び選定プロセス
サステナビリティファイナンスの資金調達の使途となる適格クライテリアに適合するプロジェクトについては、チーフ・サステナビリティ・オフィサーによって選定され、本資産運用会社の代表取締役社長、投資運用本部長、財務経理本部長、経営企画本部長、コンプライアンス・オフィサー並びにチーフ・サステナビリティ・オフィサーで構成されるESG委員会で評価・審議された後、取締役会にて決定され、役員会で報告されます。
- 部署・役職名は現在の組織図に則して記載いたします。
5.調達資金の管理
サステナビリティファイナンス(同借入金に付随する金利デリバティブ契約(サステナビリティデリバティブ))により調達した資金は、口座に入金された後、遅滞なく適格クライテリアに適合するプロジェクトの取得資金に充当、もしくは適格クライテリアに適合するプロジェクトの取得に要した借入金のリファイナンスに充当いたします。
本資産運用会社は、調達資金の充当状況を社内の電子ファイル等の媒体で管理し、必要に応じて、本資産運用会社の取締役会及び本投資法人の役員会にて報告を行うほか、コンプライアンス部門及び監査法人による内部監査を実施いたします。
また、調達資金の充当が決定されるまでの間は、調達資金は、現金又は現金同等物にて管理します。全額充当後においても、評価対象の債券等が償還するまでに、資金使途の対象となる資産が売却又は毀損などにより、資金使途の対象から外れる場合、一時的に発生する未充当資金は、ポートフォリオ管理(※)にて管理します。
- 決算期毎にサステナビリティファイナンス残高の合計額が、サステナビリティ適格負債上限額[ソーシャル及びグリーン適格クライテリア(1)乃至(2)を満たす資産(物件)合計額(取得金額)×LTV+グリーン適格クライテリア(3)乃至(5)に充当した金額の合計額)を超えないことを確認する管理方法です。
6.レポーティング
(1)資金の充当状況に関する開示方法及び開示頻度
本投資法人のウェブサイトにおいて、本投資法人の決算期毎に、以下の内容を開示します。
- サステナビリティファイナンスによる調達時点で未充当資金がある場合には、資金の充当計画
- 調達した資金の返済期日までに、資金使途の対象となる資産を売却した場合には、ポートフォリオ管理にて残高管理をしている旨に加え、サステナビリティファイナンス残高及びサステナビリティ適格負債上限額
(2)インパクト・レポーティングの開示方法及び開示頻度
本投資法人のウェブサイトにおいて、以下(3)に記載するKPI (Key Performance Indicator)のうち、該当するもののみ年次で開示します。
(3)インパクト・レポーティングにおけるKPI
[ソーシャルプロジェクトに係るインパクト・レポーティング]
この表は左右にスクロールできます。
アウトプット (各物件の取組みによってもたらされた実績) |
取得した物件名及び概要については本投資法人のウェブサイト上にて公開予定 |
---|---|
アウトカム (アウトプットによってもたらされた社会・環境の変化や便益) |
|
インパクト (短期・長期的な変化を含め、アウトカムの実現によって目指す社会的効果(目標)) |
|
[グリーンプロジェクトにかかるインパクト・レポーティング]
- 取得資産の環境認証数・種類
- 空調機器等の更新による省エネルギー効果
- (改修工事を対象とした場合)改修前と改修後のエネルギー使用量/水使用量
- (再生可能エネルギーを対象とした場合)投資対象となる発電設備の年間発電量・CO2削減量(推定値)
- EIMY(Energy In My Yard)による年間発電量(水力発電等)
- EIMY以外での自然エネルギー調達量
- 生ゴミの堆肥化継続(2011年より)
- プラスチック容器の削減量
- ① シャンプー、コンディショナー、ボディソープのポンプボトル化継続(2019年より)
- ② ペットボトルミネラルウォーターの段階的切り替え
- リサイクル対象となった歯ブラシの本数
- 自然保護活動の概要
- 再資源化した廃棄物の概要
サステナビリティファイナンス・フレームワークに基づくレポーティング
(1)サステナビリティ適格資産一覧(2025年5月1日時点)
この表は左右にスクロールできます。
グリーンビルディング認証(※1)(※2) | 物件名 | 取得価格 (百万円)(※4) |
---|---|---|
BELS(※3) | ||
★★★★★ | 星のや沖縄 | 12,210 |
界 加賀 | 3,160 | |
★★★★ | 西表島ホテル ホテル棟 | 3,650 |
- | 合計 | 19,020 |
- BELS認証の評価対象は、物件の一部分に限定されている場合がありますが、取得価格は、物件毎の取得価格の総額を記載しています。
- 物件内の複数の棟がBELS認証を取得している場合は、取得する最も高い評価を記載しています。
- 2024年4月に建築物の省エネ性能表示制度の告示が改正・施行されたことに伴い、省エネ性能表示は7段階となっていますが、ここでは旧制度においての5段階で評価を記載しています。
- 金額については単位未満を切り捨てて記載しています。
(参考)
2024年4月に建築物の省エネ性能表示制度の告示が改正・施行されたことに伴い、フレームワークが変更になったため、下記物件はサステナビリティ適格資産から選外となりました。
この表は左右にスクロールできます。
グリーンビルディング認証(※1)(※2) | 物件名 | 取得価格 (百万円)(※4) |
---|---|---|
BELS(※3) | ||
★★★ | 星のや竹富島 | 4,955 |
★★ | 界 玉造 | 680 |
(2)資金の充当状況に関するレポーティング(2025年5月1日時点)
- サステナビリティファイナンスによる調達時点での未充当資金はございません。
- 資金使途の対象となる資産の売却実績はございません。
サステナビリティファイナンス残高及びサステナビリティ適格負債上限額(ポートフォリオ管理)
- LTVは、本投資法人の保有物件取得価格総額に占める2025年5月1日時点の有利子負債の割合を採用しています。
- 金額については単位未満を切り捨て、比率については単位未満を四捨五入して記載しています。
サステナビリティ適格負債上限額(百万円) | サステナビリティファイナンス残高(百万円) | |
---|---|---|
8,266 | ≧ | 1,060 |
- サステナビリティファイナンス残高は、サステナビリティ適格負債上限額を超過していません。
(3)インパクト・レポーティング(2025年5月1日時点)
[ソーシャルプロジェクトに係るインパクト・レポーティング]
適格クライテリアを満たす物件が該当するソーシャル適格クライテリアのアウトプットは以下のとおりです。
2025年5月1日時点
この表は左右にスクロールできます。
物件名 | 不動産利用者等関係者にかかる取組み (アウトプット) |
地域社会に係る取組み (アウトプット) |
---|---|---|
![]() 星のや沖縄 |
|
|
![]() 界 加賀 |
|
|
![]() 西表島ホテル |
|
|
[グリーンプロジェクトにかかるインパクト・レポーティング]
開示対象の物件は、本投資法人が保有する資産のうち、サステナビリティファイナンス・フレームワークにおいて定められた適格クライテリアを満たす物件で、かつ各レポーティング項目について、本投資法人が年間を通して保有し、データ集計が可能な物件に限ります。
取得資産の環境認証数・種類
【サステナビリティに関する外部評価】をご参照ください。
空調機器等の更新による省エネルギー効果
空調機器等の更新を対象としたサステナビリティファイナンスによる資金調達実績はありません。
(改修工事を対象とした場合)改修前と改修後のエネルギー使用量/水使用量
改修工事を対象としたサステナビリティファイナンスによる資金調達実績はありません。
(再生可能エネルギーを対象とした場合)投資対象となる発電設備の年間発電量・CO2削減量(推定値)
再生可能エネルギーを対象としたサステナビリティファイナンスによる資金調達実績はありません。
EIMYによる年間発電量(水力発電等)
サステナビリティファイナンスの対象物件において、EIMYでの自然エネルギー調達実績はありません。
EIMY以外での自然エネルギー調達量
サステナビリティファイナンスの対象物件において、EIMY以外での自然エネルギー調達実績はありません。
生ゴミの堆肥化継続
サステナビリティファイナンスの対象物件において、生ゴミの堆肥化に関する実績はありません。
プラスチック容器の削減量
①シャンプー、コンディショナー、ボディソープのポンプボトル化継続
以下の3物件において、シャンプー、コンディショナー、ボディソープのポンプボトルを使用しています。
②ペットボトルミネラルウォーターの段階的切り替え
以下の3物件においては、環境に対する負荷を抑えるため、宿泊客向けのペットボトルミネラルウォーターの提供を行っていません。
リサイクル対象となった歯ブラシの本数
2024年度 歯ブラシリサイクル実績
- 各年4月から翌年3月までの年間の集計値(概算)を記載しています。
自然保護活動の概要
以下のページをご参照ください
再資源化した廃棄物の概要
該当の物件はありません。
グリーンファイナンス・フレームワークの概要
本投資法人は、グリーンボンド原則ほか各種原則及びガイドラインに適合したグリーンファイナンスを実施するための基本方針として、グリーンファイナンス・フレームワークを策定いたしました。なお、本フレームワークの適格性については、株式会社日本格付研究所(JCR)より、最上位となる<総合評価 Green1(F)>の評価を取得しています。JCRによる評価レポートは、以下をご覧ください。
【JCR グリーンファイナンス・フレームワーク評価レポート】
本投資法人は、本フレームワークに基づいてグリーンファイナンスの実施、評価及び管理を行い、サステナビリティを意識した幅広い投資家へESG投資の機会を提供することを目指します。
1.調達資金の使途
グリーンファイナンスで調達された資金は、以下の適格クライテリアを満たすグリーンビルディングの取得資金もしくは同資金のリファイナンス等に充当する予定です。
2.適格クライテリア
この表は左右にスクロールできます。
(1)グリーンビルディングおよび環境に資する付加的な取組み |
以下①~④の第三者認証機関の認証のいずれかを取得済もしくは今後取得予定の物件。 なお、①~④について(i)~(v)に定める追加的な取り組みが行われている場合、物件全体をグリーン適格物件とみなすものとする。 <追加的な取組>
|
---|---|
(2)汚染の防止と管理 | 廃棄物の再資源化率100%を達成している物件 |
(3)省エネルギー性能 | 空調機器の更新、照明器具のLED化、蓄電システムの導入等省エネルギー機器の導入に関する費用(従来比30%以上の使用量もしくは排出量の削減効果が見込まれるもの) |
(4)改修工事 | ① 保有資産に係る改修工事で、CO2、エネルギー、水等の使用量または排出量の削減等、環境面において有益な改善が可能な工事(従来比30%以上の使用量もしくは排出量の削減効果が見込まれるもの) ② 環境認証の取得、再取得、または1段階以上の改善を目的とした工事 |
(5)再生可能エネルギー | 再生可能エネルギー発電設備の取得又は設置 |
3.プロジェクトの評価及び選定プロセス
グリーンファイナンスの資金調達の使途となる適格クライテリアに適合するプロジェクトについては、チーフ・サステナビリティ・オフィサーによって選定され、本資産運用会社の代表取締役社長、投資運用本部長、財務経理本部長、経営企画本部長、コンプライアンス・オフィサー並びにチーフ・サステナビリティ・オフィサーで構成されるESG委員会で評価・審議された後、取締役会にて決定され、役員会で報告されます。
- 部署・役職名は現在の組織図に則して記載いたします。
4.調達資金の管理
グリーンファイナンス(同借入金に付随する金利デリバティブ契約(グリーンデリバティブ))により調達した資金は、口座に入金された後、遅滞なく適格クライテリアに適合するプロジェクトの取得資金に充当、もしくは適格クライテリアに適合するプロジェクトの取得に要した借入金のリファイナンスに充当します。
本資産運用会社は、調達資金の充当状況を社内の電子ファイル等の媒体で管理し、必要に応じて、本資産運用会社の取締役会及び本投資法人の役員会にて報告を行うほか、コンプライアンス部門及び監査法人による内部監査を実施します。
また、調達資金の充当が決定されるまでの間は、調達資金は、現金又は現金同等物にて管理します。全額充当後においても、評価対象の債券等が償還するまでに、資金使途の対象となる資産が売却又は毀損などにより、資金使途の対象から外れる場合、一時的に発生する未充当資金は、ポートフォリオ管理(※)にて管理します。
- 決算期毎にグリーンファイナンス残高の合計額が、グリーン適格負債上限額[適格クライテリア(1)乃至(2)を満たす資産(物件)合計額(取得金額)×LTV+適格クライテリア(3)乃至(5)に充当した金額の合計額]を超えないことを確認する管理方法です。
5.レポーティング
(1)資金の充当状況に関するレポーティング
本投資法人のウェブサイトにおいて、本投資法人の決算期毎に、以下の内容を開示します。
- グリーンファイナンスによる調達時点で未充当資金がある場合、充当計画
- 資金使途の対象となる資産を償還・返済期間までに売却した場合には、ポートフォリオ管理にて残高管理をしている旨、またグリーンファイナンス残高及びグリーン適格負債上限額
(2)環境改善効果に関するレポーティング
本投資法人のウェブサイトにおいて、該当するもののみ、年次で以下の内容を開示します。
- 取得資産の環境認証数・種類
- 空調機器等の更新による省エネルギー効果
- (改修工事を対象とした場合)改修前と改修後のエネルギー使用量/水使用量
- (再生可能エネルギーを対象とした場合)投資対象となる発電設備の年間発電量・CO2削減量(推定値)
- EIMY(Energy In My Yard)による年間発電量(水力発電等)
- EIMY以外での自然エネルギー調達量
- 生ゴミの堆肥化継続(2011年より)
- プラスチック容器の削減量
- ① シャンプー、コンディショナー、ボディソープのポンプボトル化継続(2019年より)
- ② ペットボトルミネラルウォーターの段階的切り替え
- リサイクル対象となった歯ブラシの本数
- 自然保護活動の概要
- 再資源化した廃棄物の概要
グリーンファイナンス・フレームワークに基づくレポーティング
(1)グリーン適格資産一覧(2025年5月1日時点)
この表は左右にスクロールできます。
グリーンビルディング認証(※1)(※2) | 物件名 | 取得価格 (百万円) (※4) |
|
---|---|---|---|
CASBEE | BELS(※3) | ||
S (★★★★★) |
- | 星のや軽井沢 | 7,600 |
★★ | ANAクラウンプラザホテル広島 | 17,784 | |
- | ★★★★★ | 界 別府 | 7,335 |
- | 界 霧島 | 3,913 | |
- | 界 鬼怒川 | 3,080 | |
- | 界 長門 | 2,750 | |
- | The b 浅草 | 5,630 | |
- | OMO7大阪 | 29,000 | |
- | ★★★★ | カンデオホテルズ佐野 | 1,260 |
- | コンフォートイン甲府石和(※5) | 658 | |
- | コンフォートイン宗像(※5) | 504 | |
- | 界 ポロト | 3,060 | |
- | ★★★ | クインテッサホテル大阪心斎橋 | 3,339 |
- | コンフォートイン一関インター(※5) | 700 | |
- | ホテルビスタ松山 | 1,904 | |
- | ★★ | BEB5軽井沢 | 2,170 |
- | - | 合計 | 90,687 |
- BELS認証又はCASBEE認証の評価対象は、物件の一部分に限定されている場合がありますが、取得価格は、物件毎の取得価格の総額を記載しています。
- 物件内の複数の棟がBELS認証又はCASBEE認証を取得している場合は、取得する最も高い評価を記載しています。
- 2024年4月に建築物の省エネ性能表示制度の告示が改正・施行されたことに伴い、省エネ性能表示は7段階となっていますが、ここでは旧制度においての5段階で評価を記載しています。2つ星の物件に関しては、「汚染の防止と管理」の取組を実施しているBEB5軽井沢を除き、適格クライテリア充足対象外となり、既存で借入れているサステナブルファイナンスの弁済期日が到来すると除外されます。
- 金額については単位未満を切り捨てて記載しています。
- コンフォートインの物件に関しては、2024年5月2日以降順次チサンインからのリブランドを行っており、チサンイン時に取得したBELSの評価を掲載しています。
(参考)
2024年4月に建築物の省エネ性能表示制度の告示が改正・施行されたことに伴い、フレームワークが変更になったため、下記物件はグリーン適格資産から選外となりました。
グリーンビルディング認証(※1)(※2) | 物件名 | 取得価格 (百万円) (※4) |
|
---|---|---|---|
CASBEE | BELS(※3) | ||
- | ★★★★ | 界 アルプス | 3,060 |
- | ★★★ | 星のや京都 | 2,878 |
- | ★★ | コンフォートホテル高松 | 2,050 |
- | コンフォートイン千葉浜野R16(※5) | 798 | |
- | カンデオホテルズ福山 | 1,075 | |
- | カンデオホテルズ茅野 | 793 | |
- | カンデオホテルズ半田 | 620 | |
- | カンデオホテルズ亀山 | 470 |
(2)資金の充当状況に関するレポーティング(2025年5月1日時点)
- グリーンファイナンスによる調達時点での未充当資金はございません。
- 資金使途の対象となる資産の売却実績はございません。
グリーンファイナンス残高及びグリーン適格負債上限額(ポートフォリオ管理)
- LTVは、本投資法人の保有物件取得価格総額に占める2025年5月1日時点の有利子負債の割合を採用しています。
- 金額については単位未満を切り捨て、比率については単位未満を四捨五入して記載しています。
グリーン適格 負債上限額 (百万円) |
グリーン ファイナンス残高 (百万円) |
|
---|---|---|
39,414 | ≧ | 32,050 |
- グリーンファイナンス残高は、グリーン適格負債上限額を超過していません。
(3)環境改善効果に関するレポーティング(2025年5月1日時点)
開示対象の物件は、本投資法人が保有する資産のうち、グリーンファイナンス・フレームワークにおいて定められた適格クライテリアを満たす物件で、かつ各レポーティング項目について、本投資法人が年間を通して保有し、データ集計が可能な物件に限ります。
取得資産の環境認証数・種類
【サステナビリティに関する外部評価】をご参照ください。
空調機器等の更新による省エネルギー効果
空調機器等の更新を対象としたグリーンファイナンスによる資金調達実績はありません。
(改修工事を対象とした場合)改修前と改修後のエネルギー使用量/水使用量
改修工事を対象としたグリーンファイナンスによる資金調達実績はありません。
(再生可能エネルギーを対象とした場合)投資対象となる発電設備の年間発電量・CO2削減量(推定値)
再生可能エネルギーを対象としたグリーンファイナンスによる資金調達実績はありません。
EIMYによる年間エネルギー生産量(地中熱利用、水力発電等)
「星のや軽井沢」におけるEIMYによる年間エネルギー生産量は以下のとおりです。
(単位:GJ=ギガジュール)
物件名 | 2024年度 |
---|---|
星のや軽井沢 | 10,852 |
- 星野リゾートから提供を受けた4月から翌年3月の1年間の集計値を記載しています。
EIMY以外での自然エネルギー調達量
現状、「星のや軽井沢」以外の物件におけるEIMY以外での自然エネルギー調達実績はありません。
生ゴミの堆肥化継続
生ゴミの堆肥化に継続して取組んでいる物件は以下のとおりです。
プラスチック容器の削減量
① シャンプー、コンディショナー、ボディソープのポンプボトル化継続
以下の12物件において、シャンプー、コンディショナー、ボディソープのポンプボトルを使用しています。
星のや軽井沢
界 鬼怒川 / 界 長門 / 界 霧島 / 界 別府
BEB5軽井沢
コンフォートイン甲府石和
コンフォートイン宗像
コンフォートイン一関インター
カンデオホテルズ佐野
ANAクラウンプラザホテル広島
クインテッサホテル大阪心斎橋
② ペットボトルミネラルウォーターの段階的切り替え
以下の10物件においては、環境に対する負荷を抑えるため、宿泊客向けのペットボトルミネラルウォーターの提供を行っていません。
星のや軽井沢
界 鬼怒川 / 界 長門 / 界 霧島 / 界 別府
BEB5軽井沢
コンフォートイン甲府石和
コンフォートイン宗像
コンフォートイン一関インター
クインテッサホテル大阪心斎橋
リサイクル対象となった歯ブラシの本数
2024年度 歯ブラシリサイクル実績
- 各年4月から翌年3月までの年間の集計値(概算)を記載しています。
自然保護活動の概要
以下のページをご参照ください。
再資源化した廃棄物の概要
再資源化した廃棄物を対象としたグリーンファイナンスによる資金調達実績はありません。
以下物件において再資源化した廃棄物の取り組みを行っています。
BEB5軽井沢
ポジティブ・インパクトファイナンス
Mizuhoポジティブ・インパクトファイナンスは、サステナビリティに高い知見を持つみずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社が開発した評価フレームワークを用いて、企業のサステナビリティ経営体制の整備状況や企業がもたらすインパクトの特定とKPI・目標設定等の評価を行います。本投資法人がSDGs(持続可能な開発目標)の達成に対してインパクトを与えるテーマについて、みずほ銀行及びみずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社から定性的かつ定量的な評価を取得しました。また、みずほ銀行は、本件実施にあたり、株式会社日本格付研究所により本評価に係る手続の「ポジティブ・インパクト金融原則」への準拠性、活用した評価指標の合理性について、第三者意見を取得しました。
ポジティブ・インパクトファイナンス 借入一覧(2025年5月1日時点)
実行日 | 借入銀行 | 契約番号 | 金額 | 期間 |
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2024年10月31日 | 株式会社みずほ銀行 | 0138-B | 170百万 | 1.0年 |
2024年10月31日 | 株式会社みずほ銀行 | 0141-B | 800百万 | 7.5年 |
2024年10月31日 | 株式会社みずほ銀行 | 0142-B | 180百万 | 8.0年 |
2025年1月8日 | 株式会社みずほ銀行 | 0144-B | 300百万円 | 6.8年 |
2025年1月8日 | 株式会社みずほ銀行 | 0145-B | 400百万円 | 7.3年 |
ブルーローン
ブルーローンは、「星のや竹富島」の海水淡水化装置の取得に伴う手元資金減少の復元資金であり、株式会社格付投資情報センター(R&I)より、ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)等が発行する「グリーンローン原則」及び国際金融公社(IFC)が策定した「ブルーファイナンスのガイドライン」に適合していることの第三者意見書を取得しています。竹富島では生活用水を石垣島からの海底送水で賄っており、水質源に限りがある中、「星のや竹富島」では飲料用水を海水淡水化装置によって自給することで、客室でのペットボトル入りのミネラルウォーターの提供を廃止し、ペットボトルフリーに取り組んでおります。また、海水淡水化装置はヒートポンプ・太陽光発電設備・蓄電池が一体となっており、GHG 排出の削減が可能なことに加えて、災害時でも水、湯及び電力の供給が可能となることから、2021年2月、民間企業として初めて竹富町の避難所に指定されました。 本投資法人は、海水淡水化装置の導入に伴う水道料金の削減により、「星のや竹富島」の変動賃料の算出根拠となる基準利益の向上を年間5百万円弱見込む経済合理性が確保された投資であるとともに、ESG及び地域社会への貢献の観点からも意義のある投資であると考えています。
ブルーローン 借入一覧(2025年5月1日時点)
実行日 | 借入銀行 | 契約番号 | 金額 | 期間 |
---|---|---|---|---|
2024年4月30日 | 株式会社みずほ銀行 | 0128 | 50百万 | 8.5年 |