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2020年はコロナで始まりコロナで終わる年となりましたが、星野リゾートは今回の危機を無事に乗り越え、2021年から成長ペースをさらに速めていくことができると考えています。

2021年は日本観光がコロナ禍から復活する年になると予測しており、第3波の終息後、第4波が来る前にワクチン接種が始まり、大きな国内市場による国内旅行は完全復活することを期待しています。オリンピックは、インバウンドが日本に戻り始める機会になるでしょう。2021年末に2019年ペースに戻ることはないかもしれませんが、少しずつ回復し、2022年はインバウンド復活の年になると予測しています。

星野リゾートのコロナ危機対応をまとめると、①各施設のコロナ対策の徹底と情報発信、②マイクロツーリズム商圏からの集客体制へのシフト、③感染拡大による需要減突入時の効率的な運営体制への変化、これらを含めた18ヶ月サバイバルプランを敏速にまとめて着実に実行したことに尽きます。星野リゾートのフラットな組織文化は、危機対応時に必要な変化スピードに貢献し、しっかりと機能いたしました。それは改めて私たちの大きな自信につながっています。

コロナ禍による観光需要減への様々な対応において、普段は得ることができないネットワークを構築することもできました。日本各地のイベントや祭りが中止になる中で、販売の機会を失った工芸家、陶芸家、そして地域の飲食店の皆さんと協力することによって、集客に効く新しい魅力を創造し、協力していただいた方々には販売や活躍の機会を提供することで喜んでいただくことができました。インバウンドや海外旅行が主力であった旅行事業者の皆さんとも多くの新しい取り組みを行い、主にマイクロツーリズム魅力の開発で協業することができました。共にコロナ禍を乗り越えた経験は、コロナ後の新しい協力体制につながっていくと考えています。

偶然のタイミングではありますが、2021年から星野リゾート・リート投資法人と星野リゾートの相乗効果が本格的に発揮されてくると考えています。2013年の設立時から、この相乗効果を活かすことを目指して努力してきました。都市型ホテル、リゾートホテル、温泉旅館は、企画を始めてから完成し収益を生み出すまでに長い時間を必要としています。この期間の各ステップにおけるリスクレベルも異なり、土地取得時は、許認可取得、予算内・工期内の建設、開業後の収益、どれも未知数でありリスクが最も高いステージと言えます。しかし、ステップを一つ一つクリアしていく度に、事業リスクは軽減され、最終的には開業後に集客が軌道に乗り収益を安定的に生み出す状況を確認できると、リスクが最も低減されます。リートを含む多くの投資家が許容できるリスクはこの最終段階のレベルなので、そこまでのステップを他の主体者が担っていく必要がありますが、星野リゾート・リート投資法人をパートナーとして得ることによって、運営に特化してきた星野リゾートは、開発の主体者になることができるようになりました。

過去には運営の立場から最適な施設を作っていくことだけを考えてきたのですが、リートとのパートナーシップの中では、リートが取得し易い案件のスペックを学び理解し、そのスペックに合った案件に育てていくことができるようになりました。スペックは、単に収益性だけではなく、所有形態、土地の権利、建物の構造、耐震など、リートが必要とする様々な条件を把握し、より高い精度で上質なアセットを創造する仕組みとなります。確かに開発段階のリスクレベルは相対的に高いですが、必要なスペックを備える運営力があれば、開発後に長期で負債を抱えるリスクもなく、同時に開発に必要な融資を受けやすい状態を作ることができます。

新築案件の開発に取り組むことができるようになった環境は、星野リゾートのマーケティング面で大きなイノベーションをもたらしています。2000年代に再生を担っていた時には、所有者または債権者から相談を受け、その場所がどこであろうと私たちの運営力を活かし収益改善する仕事をしてきました。その結果、星野リゾートはスケールメリットを得て集客力をつけてきたのですが、グループとしては顧客が求める場所に施設とサービスを提供できているとは言えない状態がありました。国内の有名観光地、有名温泉地、都市観光にふさわしい地方都市、これらに拠点を持つことを期待されているのですが、再生のみを担っているとグループ施設が顧客視点で理想的な分布になるとは限りません。星野リゾートが主体的に開発に関わっていくことによって、市場が求める場所やニーズに合う施設を創造することができるようになります。

その成果が本格的に見えてくるのが2021年です。土地取得からの長いプロセスを経て完成する施設が登場してきます。それらは、顧客が旅したい場所に、泊まってみたくなる要素を備えた戦略的なホテル群です。例えば、九州という大きな観光拠点に今まで界阿蘇(12室)しか提供できていないことは、ブランドとして大きな課題であり、以前から新規案件の開発に取り組んできました。2021年1月末に界霧島が開業、その後夏には界別府が開業する予定です。そしてその後も由布院、雲仙と続いていきます。北海道にはトマムがあり、都市観光ホテルのOMO7旭川がありますが、温泉旅館の界がないことはブランドとしての課題でありました。白老町に界ポロトを建設中であり2022年春の開業を目指しています。最も大きなプロジェクトは、大阪市新今宮に建設中のOMO7大阪新今宮です。大阪市場は短期的には供給過剰気味ではありますが、本プロジェクトのロケーション、アクセス、館内魅力は競争力があり、2022年に予定通り開業し、2025年の万博開催に向けて業績を上げていく予定です。

このように、星野リゾート・リート投資法人設立から7年、ようやくお互いの相乗効果が本格的に見えてくる時期になりました。上質なアセットを、旅行市場が求める場所に積極的に展開していくことで、リートのポートフォリオの競争力強化を目指すと同時に、星野リゾートのスケールメリットを活かした集客力を強化することができます。このようなお互いを強め合う相乗効果を今後も高めていく予定です。

本文中で紹介した施設

界 霧島
界 霧島

界 別府
界 別府

界 由布院
界 由布院

トマム
トマム

OMO7 旭川
OMO7 旭川

界 ポロト
界 ポロト

OMO7 大阪新今宮
OMO7 大阪新今宮

星野リゾートの運営

(注1)本投資法人では星のや軽井沢と星野エリアを合わせて1物件としてカウントしています。

(注2)2020年6月11日開業を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う昨今の事情を踏まえ、開業の延期を決定しております。本日現在、変更後の開業日は未定です。

(注3)本文中で紹介した施設は、OMO7旭川以外星野リゾート・リート投資法人の保有物件ではございません。

(注4)このページの内容は2021年1月25日現在のものです。

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